■ヤマヤマ(ヤマランクI) ○線維素性肺炎 ・気管支内及び肺胞腔内に線維素が滲出したもの。主因は、病原性の強い細菌による伝染病。 ・通常病変は肺葉全体に急速に広がる。 ・充血期: 肉眼的:炎症性充血と水腫。  肺は全体に濃赤色で、表面は平滑。重力及び容積を増し、滑面からは多量の血液と泡沫に混じった漿液が流出する。 組織学:肺胞壁の毛細血管に多数の赤血球が充満し、肺胞内には多量の漿液・RBC・少数のWBC。  間質のリンパ管は漿液で拡張している。 ・赤色肝変期: 肉眼的:表面・滑面とも暗赤色。 肝臓様に硬化し、滑面は水分に乏しく、細顆粒状で、滑面を圧すると膿様液が流出する。 組織学:線維素が析出する{細気管支腔内外・肺胞腔内・小葉間質} 。多量のRBC・Mφ・剥離上皮・リンパ球・形質細胞。 ・灰白色肝変期: 肉眼的:灰白質となり、硬度を増す。 組織学:繊維素やWBCが肺胞腔内に充満し、肺胞壁の毛細血管を圧迫、貧血性となる。 ・黄色肝変期: 肉眼的:灰白色に黄色調が加わる。 組織学:肺胞壁から多数の好中球が浸潤する。 ・吸収期: 肉眼的:黄色調から、正常の色調に。硬度も減る。 組織学:線維素が融解し、白血球の変性崩壊から液化し、リンパ管への吸収や気管支から喀出される。 ○心筋症 ・肥大型: ・心筋肥大による心腔の狭小化。 ・心筋の肥大・錯綜配列・線維化。{猫→6歳以上の♂。メークインとペルシャ} ・拡張型: ・心筋の収縮不全と心腔の拡張。 ・心筋線維は細長く波状構造をとり、間質の水腫や線維化を伴う。{犬→大型犬種。ホルスタイン} ・拘束型: ・心内膜の肥厚による心室拡張障害。{猫(肥大型の次に多)} ○胃炎 ・急性カタル性胃炎: ・肉眼的には、粘膜表面に、充血・腫脹・水あめ状の粘液の付着、時には点状出血・糜爛を形成。 ・組織学的には、表層の粘膜上皮の剥離・線上皮の粘液分泌亢進・粘液固有層における充血や水腫・軽度の細胞浸潤がある。 ・急性伝染病・寄生虫感染・中毒で。 ・急性出血性胃炎: ・肉眼的には、点状〜斑状出血(時には粘膜全体に出血)。 ・組織学的には、粘膜上皮の剥離・血管の障害による出血・軽度の炎症性細胞反応。 ・ウィルス・細菌性の急性伝染病・寄生虫感染・毒物・外来性異物などによる物理的障害によって起こる。 ・慢性胃炎: ・粘膜固有層や粘膜下組織に、小円形細胞浸潤やリンパ濾胞形成を伴う軽度の線維化が生じ、さらに粘膜上皮の過形成や嚢胞状に拡張した胃底腺ができる/*肥厚性胃炎*/や、粘膜全体が萎縮する/*萎縮性胃炎*/がある。 ・原因は、不明or慢性胃炎と同じ。 ・偽膜性胃炎: ・肉眼的に、胃粘膜の表層が壊死に陥り、その表面に線維素を含む滲出物や食物の残渣により、混濁/汚濁する。 ・壊死桿菌or糸状菌によるRuの前胃や第四胃。牛や馬の毛線虫症で急性出血性胃炎に続いて。 ○腸炎 ・カタル性腸炎: {慢性と急性がある} ・急性の充血期と陰窩上皮からの分泌亢進が特徴。 ・カタル性滲出物が粘膜を覆う。滲出物には、粘液・WBC・剥離上皮etcも含まれる。 ・粘膜固有層や粘膜下組織には、充血・水腫etcの循環障害もみられる。 ・慢性化すると粘膜が萎縮する。 \f原因\f=ウィルス・細菌etc 豚の伝染性胃腸炎 豚の流行性下痢症 牛のロタウィルス 牛のコロナウィルス \f経過\f 絨毛上皮の剥離、立方状から扁平化(急性感染期) ―→立方状/低い柱状で、好塩基性・核の位置が不揃い。陰窩上皮細胞の過形成。 ・線維素性腸炎: 毛細血管の障害―→透過性が異常亢進―→血漿中のフィブリノーゲンの漏出―→組織にフィブリンの沈着。 ・偽膜 {壊死組織とフィブリンが混ざり、組織に沈着}を形成する、偽膜性腸炎も。 ・細菌毒素・ウィルス・真菌の感染による。 ・出血性腸炎: ・組織や血管の損傷がひどく、RBCも漏出している状態(もちろん、水分・塩類・血漿タンパクも)。 ・腸内毒素血症(エンテロトキセミア)・出血性壊死性腸炎・豚赤痢 etc ・肉芽腫性腸炎: ・腸粘膜固有層や粘膜下組織に、単球由来の食細胞 {Mφ・類上皮細胞・多核巨細胞などの単核食細胞系細胞} による肉芽腫の形成。 ・ヨーネ病 etc ・増殖性腸炎: ・陰窩上皮や陰窩自体が異常に増殖して、腺腫様を示す。 ・豚の腸腺腫症 etc ■ヤマ(ヤマランクII) ○脾腫 ・脾臓が著しく腫大すること ・うっ血性脾腫: ・中心性鬱血{心機能障害}・末梢性鬱血{脾静脈血の環流障害}。 ・急性{屠殺時の打撃脾・バルビツール酸誘導体による安楽死}・慢性{肝硬変やパンチ症候群} ・感染性脾腫: ・感染性炎症に随伴。 ・脾臓の容積はまして皮膜は緊張し、軟泥状となり、割面は膨隆、辺縁は鈍となる。 ・白血球浸潤・赤血球破壊の亢進。 ・炭疽etc ・代謝性脾腫: ・種々の代謝性疾患―→全身の細網内皮系に蓄積。脾臓にも病変―→脾腫。 ・犬のスフィンゴミエリン症(リンパ濾胞や赤脾髄のMφにスフィンゴミエリンが蓄積。細胞質が泡沫状) ・腫瘍性脾腫: ・多くの白血病や悪性リンパ腫において、腫瘍細胞の浸潤の場―→巨脾 ・猫の内蔵型の肥満細胞腫―→深マホガニー色の腫大 ウシの白血病―→腫瘍性肥大 ○骨髄低形成 ・骨髄での細胞新生が低下した状態。 ・造血細胞に乏しく、脂肪細胞に置換されている―{重症}→脂肪細胞が膠様化して半流動状になる。/*膠様髄*/ ・溶血性貧血の慢性期:  中毒性――砒素・鉛・銅・タマネギ  感染性――レプトスピラ・ピロプラズマ・マラリア・溶血性連鎖球菌 ・慢性出血性貧血:  吸血寄生虫(胃虫・食道虫・条虫)・慢性潰瘍 ・再生不良性貧血:  赤血球系だけでなく、顆粒球や栓球系も障害される。/*汎骨髄癆*/  二次感染を受けやすい。  "放射線障害"――骨髄系細胞>巨核球。赤血球>細網細胞  "中毒"――ワラビ {ウシ‥‥‥急性で出血傾向。慢性で膀胱ガン、血尿。ウマ‥‥‥末梢神経の多発性神経炎}  トリクロールエチレン処理大豆粕 {S-(dichlorovinyl)-L-cysteine による}  "感染"――猫汎白血球減少症 ○動脈硬化症 ・動脈の肥厚・硬化・改築を示す限局性の病変。 ・粥状硬化症: ・動脈内皮下に脂肪線条{脂肪滴を満たした単核細胞(泡沫細胞)が線条になる}ができる―→内膜における泡沫細胞の集積が高度化となり、脂肪外脂質沈着―→これを覆うようにして結合組織線維の増生―→病巣が血管腔に隆起。/*線維性プラック*/ ・内膜病変部の細胞+単球由来のMφ&中膜から侵入した平滑筋細胞―→泡沫細胞・変質平滑筋細胞―→結合組織の形成 ・中膜硬化症: ・中膜平滑筋細胞の変性・壊死・石灰沈着。二次的に内膜の変化。 ・牛ではす〜でみられる。 ・細動脈硬化症: ・内膜硝子化・内膜増生・中膜肥厚etcを示す細動脈の病変。 ・腎臓・脾臓・膵臓・妊娠動物の子宮壁や卵巣。 ・加齢や高血圧で。 ○肺水腫 ・肺胞{肺胞性肺水腫} or 肺の間質{間質性肺水腫} に漿液がたまった状態。 ・肺胞性肺水腫の原因は 慢性的な鬱血により肺胞壁毛細血管から漿液性分が肺胞に滲出。 低蛋白血症による血液浸透圧の低下。 低酸素症・感染・過敏症・有毒ガスの吸飲etcによる毛細血管内皮への障害。 リンパ管の閉塞。 ―→重量の増加・割面からの泡沫液流出―→剥離肺胞上皮・肺胞Mφ ○無気肺 ・何らかの原因で、肺胞内に空気を含まなくなった状態。 {含 胎児の肺―→先天性無気肺} ・後天性無気肺の原因 圧迫性無気肺:胸水貯留・膿胸・胸膜炎・腫瘍etcで胸が圧迫されるため。 原因物質の除去により (^3^)チュ〜 閉塞性無気肺:気管支の完全閉塞により、その支配地域で残気が吸収されたため。 ・無気肺部は、肉眼的には暗赤色・硬く・充実性。 組織学的には、肺胞の収縮・隣接する肺胞壁同士の近接・肺胞壁毛細血管の充血。 ○肺気腫 ・肺の一部に空気が異常に貯留し、拡張した状態。 ・肺胞性肺気腫:{豚の肺円柱} ・老化による肺胞壁の弾性線維の変性・気管支の不完全閉塞・激しい呼吸による肺胞壁の破綻。 ・桃色の隆起物が、肺の辺縁にみられる。 ・間質性肺気腫:{牛で多い(牛の流行熱・RSウィルス感染症etc)} ・創傷・感染症・呼吸困難などの原因で生じる。 ・肺の小葉間質に空気が貯留した状態。 ○心内膜炎(=弁膜炎) {膜性と筋性とがあるが、多くが膜性} ・細菌感染―→尖弁の先から起こる ・細菌性弁膜性心内膜炎:  病巣から細菌が心臓に到達し、弁に病巣を作る。 三尖弁 牛 僧帽弁 豚・馬・犬 大動脈弁 馬 ↓ ・潰瘍性心内膜炎:  急性期には、水腫や充血出血により肥厚し、弁組織の変性や壊死によって潰瘍を生じる。 ↓ ・疣贅性心内膜炎: ・血栓形成・炎症性細胞反応・器質化の進行etcによって、弁の心房面に灰白色〜黄色のカリフラワー状の脆弱な病巣。 ・陳旧化すると、肉芽組織の増生・石灰化。 ■小問 心臓病細胞: ・肺水腫・滲出性出血を起こした慢性肺鬱血の肺胞内にみられる。 ・肺胞MφがRBCを貪食し、ヘモデジリン(赤血球に由来する褐色色素)を含む担鉄細胞になる。 肺線維症: ・間質性肺炎において、両方の肺の間質に、結合組織の増生がびまん性に起こっているような病態。 ・呼吸困難・チアノーゼが進行する。 アミロイド沈着: ・全身性アミロイド症の部分現象として出現。コンゴ赤染色で橙赤色に染まる。 ・沈着部位により、以下↓の二つに分けられる。 サゴ脾: ・アミロイドAタンパク質が、リンパ濾胞の小血管に沈着し、リンパ濾胞がアミロイドに置き換えられた状態。 ・動物にはこの形が多い。 ハム脾: ・アミロイドLタンパク質が、赤脾髄や濾胞辺縁帯にびまん性に沈着した状態。 ・硬度に免役された血清馬。 腹腔内脂肪壊死: ・急性膵壊死{犬・豚・羊に多}・脂肪代謝障害{牛に多} によって起こる。 ・後腹膜にたまった脂肪によって血管が圧迫され、貧血となって起こるときも。 黄色脂肪症: ・不飽和脂肪酸含量の高い飼料の過剰摂取―→αトコフェロールの欠乏―→皮下や腹腔内の貯蔵脂肪が過酸化・変性―→セロイド色素の沈着と炎症 ・豚・猫 汎骨髄癆: ・赤血球系だけでなく、顆粒球や栓球系も障害される機能障害。 多発性骨髄腫: ・形質細胞の腫瘍性疾患。 ・骨髄を中心とした形質細胞の増殖と、それに伴う免疫グロブリンの異常発生、骨融解 {X線で骨吸収像(釘抜き像)} などを特徴とする慢性疾患。特にモノクローナルIgM・IgAが過剰に産生されるもの。 ・Bence-Jonesタンパク尿(L鎖の単量体or二量体) 肺性心: ・肺実質・肺動脈・胸腔・胸郭に一時的に原因があって、右心室に負荷がかかって生じる心臓の病態。急性と慢性と。 ・{肺動脈閉塞―→右心室に負担―→}右心室の拡張と肥大。慢性では、心筋線維も肥大する。 ・原因として 肺動脈塞栓や肺動脈の血栓性閉塞。犬糸状虫・腫瘍転移。 下部気道や肺実質をびまん性に侵す病態。肺線維症・肺気腫・慢性気管支炎。 腫瘍その他腫瘤の圧迫による肺動脈主幹部の狭窄。 呼吸運動をひどく障害する胸郭奇形 過角化症・錯角化症: ・濃厚飼料・大麦・アルファルファのペレットの多給―→プロピオン酸と酪酸△・酢酸▼―→胃内のpH▼―→上皮に、有棘層肥厚・過角化症・錯角化症・色素沈着過剰=第一胃粘膜表面に、黒色で棍棒状/舌状の乳頭突起―→塊・結節・ロゼットを形成。 ・―→二次乳頭の増生・様々な程度の線維症が粘膜固有層や粘膜下組織に生じ、壁が肥厚。 ・VitA欠乏でもおきる。 ■その他 ○白血病 定義: ・血液細胞{顆粒球・赤血球・リンパ球・巨核球} の腫瘍性疾患。 ・狭義では「骨髄内での増殖が中心の腫瘍」 ・ウシの白血病: {病因・分布・腫瘍細胞の由来} 成牛型: ・牛白血病ウィルスの水平/垂直感染。 ・リンパ節・肝臓・脾臓 {の腫大} 。重度では、全身。 ・Bcell。 子牛型: ・?。 ・6ヶ月齢以下の子牛で。成牛型に似ているが、骨髄での増殖が顕著。胸腺は正常か萎縮。 ・Bcell&Tcell 胸腺型: ・? ・7〜24ヶ月齢牛の胸腺の腫瘍性腫大。重症では、胸腔臓器に浸潤。 ・Tcell。 皮膚型: ・? ・若齢牛に蕁麻疹様発疹―→皮膚の深層〜実質臓器への波及。 ・Tcell ○髄外造血(化生性造血) ・骨髄での造血が末梢の需要に対応できないとき。 骨髄が悪性腫瘍の転移や線維症etcで障害を受けたときに。 ・赤脾髄における骨髄細胞・幼弱赤血球・巨核球の増生。 ・肝臓やリンパでもみられる。 {齧歯類では生後も普通にみられる。} 溶血性貧血―→赤芽球系 蓄膿症  ―→顆粒球系 ○肝硬変 ・肝細胞の壊死と線維化、残存肝細胞の結節性の再生、小葉中心部〜グリソン鞘間の隔壁形成による小葉構造の改変。 ・通常型肝硬変: 壊死後性肝硬変: ・ウィルス性肝炎・中毒による小葉広域の壊死後に。 ・線維化は、グリソン鞘と中心静脈から始まり、小葉間胆管の増生を伴う。 脂肪性肝硬変: ・脂肪肝―→脂肪化が、小葉中心部から全域に。  線維化が、中心静脈――{増生・伸展}―→中心静脈間 or 中心静脈とグリソン鞘を結ぶ隔壁を形成。 ・特殊型肝硬変: うっ血性肝硬変: ・高度の肝臓鬱血が持続―→小葉中心部の肝細胞が低酸素症―→脂肪化・線維化の進行。 ―→グリソン鞘からの増生線維と結合―→不完全な偽小葉形成。 胆汁性肝硬変: ・感慨胆道系や肝内胆管が閉塞―→細菌の二次感染―→胆管炎、小葉間胆管の増生・線維化―→小葉内へ伸展する。 ・肝内胆管上皮の破壊・炎症反応―→増生した胆管と線維化が進行―→隔壁を形成。 色素性肝硬変: ・鉄色素の過剰沈着であるヘモクロマトーシスに続発する。 寄生虫性肝硬変: ・心臓性肝硬変によるもの、またはvena cava症候群による乏血性巣状壊死の修復によるもの。 ・寄生虫の感染などでは、虫道周囲やグリソン鞘を中心に高度な線維化。 ○膵炎 急性膵炎: ・膵臓実質の壊死・出血、脂肪組織の壊死。 ・肉眼的には、膵臓の著しい腫大・脆弱化・出血。 組織学的には、漿液出血性の滲出・線維素の析出―→膵臓実質の崩壊・小葉構造の消失・核の染色性も消失。 化膿性膵炎: ・敗血症の時に、膵臓実質or間質に蜂窩織炎・膿瘍として出現。 ・膵液うっ滞の際の腸内細菌の上行。穿孔性胃潰瘍・腹膜炎からの波及。牛の創傷性胃炎 慢性間質性膵炎: ・無症状で限局性線維化〜消化障害を伴って広範囲で高度の線維化 まで。 ・肉眼的には、萎縮・膵硬変。阻止苦学的には、線維化・リンパ球浸潤・上皮の化生etc。 膵管炎: ・急性/慢性のカタル性炎。 ・慢性では、膵管周囲性の線維化。 ○黄疸 ・胆汁色素の代謝▼―→血液中のビリルビン濃度△―→ビリルビンが組織に沈着―→眼球結膜・粘膜・皮膚・内臓が、帯黄色 ・溶血性黄疸: ・重度のRBC崩壊・溶血―→ビリルビン摂取-抱合処理が間に合わない―→\f遊離型〜\fが血中に ・RBC寄生原虫症{ピロプラズマ・アナプラズマ} 溶血性細菌感染{レプトスピラ・連鎖球菌・クロストリジウム} 馬伝染性貧血 植物性アルカロイドによる中毒{リチン・サポニン} 化学物質による中毒{KCl・NaCl・ピログリック酸・鉛} ・肝毒性黄疸: {両方のビリルビンが貯留する} ・肝細胞の機能▼―→肝細胞のビリルビンの処理過程▼―→\f遊離型〜\fが血中に ・退行性変化{水腫変性・脂肪変性}―→肝細胞の腫脹―→毛細胆管の圧迫―→胆汁の排泄阻害―→\f抱合型〜\fが血中に ・肝細胞に直接作用して、変性及び壊死を引き起こす外来性毒性物質{有毒植物}/ウィルス感染{アフラトキシン}etc ・閉塞性黄疸: ・胆道の通過障害―→肝細胞から排泄された胆汁が滞留―→\f抱合型〜\fが血中に ・―→抱合型〜が腎糸球体→尿中に―→尿中のビリルビン濃度△・腎尿細管に胆汁円柱 ・吸虫などの寄生虫・胆石etc ○肝細胞壊死 ・孤在性壊死(単細胞壊死): ・アポトーシス{細胞質の変化に先んじて核のDNAの崩壊が生じて細胞死}。 ・出血・細胞浸潤・線維化etcの、通常の壊死に認められるような組織反応は見られない。 ・ウィルス感染症・細胞障害性Tcellによる攻撃・中毒症・腫瘍発生。 ・細胞の萎縮。細胞質は好酸性に凝縮。核は核質が破砕したり数個のクロマチン塊となる ―→細胞は細片化し、隣接する肝細胞やクッパー細胞に貪食される。   核を含まない貪食物は、カウンシルマン小体類似の硝子滴になる。 ・巣状壊死: ・数個〜肝小葉の30%程度の壊死巣が、散在性に認められる。 ・{下記のどちらであっても}壊死巣は炎症細胞により清掃され、実質細胞の再生/結合組織で置換される。 ・"急速な細胞死"  凝固壊死(細胞内のゾル状タンパク質の不活化が細胞質全体に―→細胞はひからびる)  多くの急性感染症・薬物中毒 ・"急激でない壊死"  融解壊死(エネルギー供給系の障害―→細胞膜のNa+ポンプの破壊―→Na+が細胞内に貯留―→浸透圧勾配により水分が細胞内に流入―→細胞内圧△―→細胞の破裂) ・断片壊死: ・限界板{肝小葉を数個単位で覆う、結合組織の薄い膜}の破壊を伴う壊死。 ・ウィルス性肝炎で ← 感染細胞に対する免疫機構の攻撃? ・層状壊死: ・\f細葉辺縁性壊死(小葉中心性壊死)\f  慢性鬱血などの低酸素症により壊死を生じ、多くの中毒症における壊死の好発部位。 ∵酸素分圧が低い+  大静脈に近いことから循環障害の影響を受けやすい+  酸化型薬物代謝酵素の分布が多いため自己の細胞質で産生された反応性の高い中間代謝物や活性酸素の攻撃にさらされやすい ・\f細葉中間帯壊死・細葉中心帯壊死\f  主に薬物中毒によって、特異的に生じる。  {中間帯}AF2・ベリリウム・蟻酸アリル。{中心帯}リン・シクロクロリチン・アロキサン ・塊状壊死: ・小葉全体がグリソン鞘の成分を含めて壊死すること―→多くが瘢痕化 ・重篤な薬物中毒・急性の血栓形成。 \f肝異栄養症\f  成長期の豚に発生する塊状壊死。  黄色脂肪症、骨格筋・心筋変性症、胃潰瘍とともに。  S基を含むアミノ酸・ビタミンE・セレニウム欠乏食も関与。 ・び漫性壊死: ・巣状壊死が、1つの肝小葉に複数生じ、かつ1枚の肝臓切片にあるどの肝小葉にも認められること。 ○リポフスチン沈着 ・細胞内蛋白質の分解・細胞外排除の効率の低下―→不飽和脂肪酸の酸化/重合。 ・肝細胞では、リポフスチンは細胞質にびまん性にみられる。老齢動物・腫瘍性悪液質・高度の栄養不良個体では、増加。 ○気管支間質性肺炎 ・細気管支炎と、それに続発する間質病変。 ・初期には、肺胞壁の水腫、間質結合組織にMφ・リンパ球・形質細胞の浸潤と著名に肥厚。 ・肺胞腔内には、水腫と剥離上皮。I型肺胞上皮細胞の変性・剥離と立方上皮様に腫大したII型肺胞上皮細胞の増生。 ・ウィルス感染・敗血性細菌感染症・寄生虫感染・内毒性のショック・DICなどで。 ○心膜炎 ・漿液性〜: ・感染症などで血管の透過性の亢進―→心膜腔内に漿液性滲出物 ・激しい場合―→血漿タンパク成分△―→フィブリンが異常物として浮遊―→空気に触れると凝固。 ・線維素性〜(心外膜炎): ・血行性に到達する毒性の強い病原体・尿毒症・多臓器から炎症波及―→心臓の運動に伴って、線維素が心外膜に付着。ビロード状(絨毛心) ・滲出物の器質化―→心膜腔と癒着―→心房の拡張不全・心筋層の肥大(癒着性心膜炎・拘縮性心膜炎)。 ・滲出物の量が多い+吸収が不十分―→分厚い肉芽組織形成(鎧心/装甲心)。 ・外傷性〜(牛の創傷性〜): ・第二胃から尖体異物が、胃壁・横隔膜・線維素性心膜を穿通+化膿菌/腐敗菌―→大量の線維素析出―→慢性では器質化で心膜の広範な癒着―→心機能▼―→うっ血性心不全。 ・化膿性〜: ・肺膿瘍からの炎症波及―→化膿菌の感染。 ・肉芽腫性〜: ・表面に光沢のある多発性結節性病変―→結節の癒合/大型化で不整形。割面の中心は乾酪壊死。 ・結核菌による真珠病etc。 ○動脈変性 ・類線維素変性: ・血管壁の膠原線維が膨化+線維素etcの血漿タンパク滲出。 ・牛の悪性カタル熱・豚コレラ・結節性動脈周囲炎。 ・脂肪沈着: ・脂肪の過食・老齢etc―→内膜の脂肪沈着{リン脂質・中性脂肪・コレステリンetc}(―→粥状動脈硬化症) ・アミロイド変性: ・特定臓器の末梢動脈に後発する原発型。老齢の人・犬の髄膜・脳・心筋の小動脈/細動脈に。 ・形質細胞増生と血中Glub値の異常を伴う二次型。典型的な臓器症状と小口径動脈に。 ・中膜と内膜が硝子様。血管壁の肥厚/硬直による内腔の狭窄。 ・石灰沈着: ・転移性・異栄養性。 ・上皮小体の機能△{原発性=上皮小体腺腫。二次性=腎性アシドーシス}+VitD過剰―→全身性のCa代謝障害―→大型血管の中膜、小動脈の弾性板に石灰化―→\u転移性\u。 ・馬の消化管etcの小動脈の内膜に石灰化した硝子体(内膜小体) ・\u異栄養性\u=血管壁の変性部/壊死部 ○乳糜胸 ・前縦隔洞の腫瘍の圧迫によるリンパ液のうっ滞・胸管や右幹リンパ管の外傷性断裂―→胸管/右幹リンパ管からのリンパ液の流出―→胸腔内に、乳白色のリンパ液が貯留(―→癒着を伴う慢性胸膜炎) ○腹水症 ・腹水の量がぁ〜、すっごくあがった状態ぃ〜。非炎症性漏出液/腹膜炎の浸出液の貯留。 ・透明でわずかに黄色調・凝固性のない・蛋白質の含量も少ない、腹水。 浸出液の場合、RBC・WBC・線維素・赤褐色で混濁・凝固性に富む・蛋白質含量多い。 ・鬱血{心疾患による鬱血・肝線維症・肝硬変・門脈効果etcによる門脈性鬱血} リンパ循環障害{腹膜に浸潤した腫瘍によるリンパ管の圧迫/閉塞・リンパ液の流出障害} 低蛋白症{急性中毒性腎症・尿毒症・悪液質・飢餓} ―→腹水貯留―→横隔膜圧迫による呼吸困難・慢性増殖性腹膜炎による高度の循環障害。 ○口炎 ・カタル性口炎: ・粘膜の充血・粘膜下組織の水腫により、緊張感を失う。 ・軟口蓋・扁桃・咽頭粘膜のリンパ組織の過形成と水腫により、粘膜の腫脹。 ・粘膜上皮の表面は、分泌腺からの過度の分泌物で、汚灰色の膜に覆われる。 ・水疱性口内炎: ・ウィルス・自己免疫疾患―→粘膜上皮層 or 粘膜上皮〜粘膜固有層間に、漿液性の液体が貯留―→水疱―→糜爛―→二次感染がなければ、数日内に再生・(^3^)チユ。 ・口蹄疫・水胞性口炎・豚水泡病・豚水泡疹etc ・丘疹性口炎: ・ポックスウィルス感染―→口唇 口腔粘膜 鼻鏡etcに、丘疹/膿疱。 ・病巣は、上皮細胞層の増生+細胞質の水腫変性/空胞変性で、隆起。 ・牛丘疹性口内炎・鶏痘etc ・線維素性口内炎・潰瘍性口内炎・壊死性口内炎: ・壊死性潰瘍性口内炎は、粘膜の壊死と潰瘍形成を伴う急性炎で、病変は歯肉から口腔粘膜・顔面の皮膚にまで拡大する。 ・重篤な壊疽性口内炎は、ノーマという。 ・ {これ以外、説明あらへ〜〜ん} ・慢性口内炎: ・粘膜下の結合組織が増殖+上皮も増生→角化上皮に化生+限界明瞭な灰白色の斑紋を形成(白板)。 ・肉芽腫性口内炎: ・Mφ・類上皮細胞・巨細胞etcの炎症性細胞浸潤を含む肉芽腫の形成。 1999年度 本試 ・線維素性肺炎 ・肝細胞壊死 ・脾腫 ・粥状動脈硬化症 ・丘疹性口炎